ライフ・イズ・ミラクル(とか)2005年09月01日 00時08分25秒

ブログのツボ ライフ・イズ・ア・ミラクル
 
 
私が大好きな、現在ご存命の映画監督が、この世には4人います。
 

 
まず、ラッセ・ハルストレム
 
この監督はスウェーデン出身。
 
最初期にはアバ(=70年代を席巻した、あのポップ・グループ)のプロモ・ビデオを撮ったり、
 
「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」という大傑作映画を撮ったりしてます。
 
「ギルバート・グレイプ」という凄い作品もあります。
 
今はアメリカに渡って、アカデミー賞の常連さんになってます。
 
最近のヒットは...「ショコラ」かな?そのあとも撮っておられますが、
 
正直、最近のはあまり好きではありません。ごめんなさい。
 
 
 
 
2人目が、テリー・ギリアム
 
この方は元々イラストレーターで、アメリカ生まれなのですが、
 
アメリカが嫌になっちゃって、イギリスに渡り、
 
ロンドンで、超過激なギャグ集団「モンティ・パイソン」に、
 
イラストレーター+アニメーター+役者として参加。
 
モンティ・パイソン・シリーズの映画制作にも参加しつつ、
 
自ら指揮をとって映画を撮り始めました。
 
私は1985年の傑作SF映画「未来世紀ブラジル」を見て、大ファンになりました。
 
この方のシュール+シニカル+それでもポジティブ!な感覚は、今の世の中にはぜったい必要。
 
20年たった今でも私の期待を裏切らない、クセ者監督。新作は必ず見ています。
 
次に公開されるのは、「ブラザーズ・グリム(グリム兄弟)」。これも必ず見る!
 
 
 
 
3人目は、「10年に1本の巨匠」(作品リストを見たらわかります)、
 
スペイン出身・在住のビクトル・エリセ
 
この前が「ライフライン」(2002年。でもオムニバスの中のたった10分の作品)
 
だったので、次は2012年かぁ...
 
なんなんでしょうね、この方の映画は?どんな細部もぜんぶ良いのです!!
 
「私たちが住む世界」というものへの、静かな慈愛と畏怖の念に満ちていて、
 
「とにかく、すべていい!」という感じ。言葉では説明できない!!
 
私はこの方の映画を見ている最中には必ず、
 
「ああ!こんな絵を描きたい!!」と、思ってしまいます。
 
 
 
 
そして4人目が、エミール・クストリッツァ
 
「黒猫・白猫」(1998年)以来、(「Super8」は私は見ていないので)7年ぶり!!
 
ワックワクで、前売りを買ってきました。
 
(上の写真。チラシ、オマケのロバしおり、チケット)
 
もちろん、この映画はまだ見ていないので、感想とか書けませんが。
 
 
プロフィールを見ていただいたらわかるように、旧ユーゴスラビア出身の監督。
 
「パパは出張中!」「アンダーグラウンド」と同じく、「ライフ・イズ・ミラクル」は、
 
旧ユーゴ解体後の内戦中に起きた、今回は「実話」を元にした映画です。
 
(「アンダーグラウンド」だけは、「いつかの時代のどこかの国...」という設定)
 
内戦をベースにした作品で強く表現されているのは、戦争に翻弄されながら、
 
それでも、仲間を騙したり、戦争に乗じて一儲け企んだり、浮気したり、
 
強い者に擦り寄ったり...しながら、したたかに生きる人間の、強さと滑稽さ。
 
元々内戦を闘っていたはずなのに、いつの間にか内戦は終わっていて、
 
それに気付かずにまた別の戦争(第二次世界大戦?)を闘っていた、みたいな、
 
皮肉な場面も出てきたりします。
 
そいうねじれたファンタジー的要素プラス、
 
監督の生まれ育った土地の民族音楽を彷彿とさせる、音楽が独特!!
 
監督自らがバンドを組んでツアーをするくらいで、サントラは凝りに凝っています。
 
過剰です。うるさいです。
 
でも、過剰好きな私は、それがとても楽しくて良いのです。
 
よく考えたら、悲惨。でも楽しい。だから、今回もとても楽しみなんです。
 

 
 
 
ところで、上に挙げた4人の監督の共通点は、
 
自分の生まれた国から出て活躍している。
 
又は、
 
自分の生まれた国が、内戦によって(一時的でも)否応なく奪われた経験を持っている。
 
ということです。
 
クストリッツァ監督は旧ユーゴ内戦・ボスニア紛争。
 
エリセ監督はスペイン内戦
 
(この内戦中のナチスによる空爆に怒ったピカソが描いたのが、ゲルニカです。)
 
 
特にこのお二人が撮る映画は、内戦の経験無しにはあり得ない映画です。
 
作品中に、通低音のように、重苦しい黒い雲のように、立ちこめています。
 
でも、その重苦しい雲をも包み込んでしまう、強くて熱い感情が、
 
不幸な経験を、すばらしい表現へと昇華させています。
 
そのコントラストが、私はたまらなく好きなんです。
 
 
私は、いずれの内戦についても、詳しいことは知らないし、
 
監督の視点が、闘ったどっちの側のものなのかも正確にはわからない。
 
でも、傷ついた人間が、それでも何かを信じてものを作る、
 
「それでも私はこのように生きる!」という切実さは、痛いほど伝わってきます。
 
 
世の中には色んな考えの人がいるとは思うけれど、
 
「表現」というものは、「現実」に足をかけつつしないとダメだと、
 
このお二人の映画を見ていて、いつも思います。
 
たとえ自分にとっての「現実」が、「内戦」とは比べものにならないくらい、
 
「取るに足りない現実」だったとしてもね。
 
 
 
ああ、クストリッツァ監督の新作、ホントに楽しみ!!!!!
 

QUEEN at LIVE AID2005年09月01日 21時46分19秒

ブログのツボ
 
LIVE AID DVD
 

 
今回、興味の無い方は読まない方がよろしいかと思います。ごめんなさいね。
 
 
**********************************************
 
 
今から20年前。
 
 
あのマドンナがデビューしてまだ2年目。
 
U2も、英国デビュー5年目。まだブレイクしてそう年月はたってなかった頃の話...
 
 
 
LIVE AIDと聞いて、「ぎゃ〜!(*‥*)」となるあなたは、
 
現在30代半ば以上。
 
青春時代、洋楽TOP20なんかを、FMで必死で聴いていましたね?(笑)
 
私も、そうでした。
 
しかし、今では考えられないことですが、当時ワタクシのアパートには、
 
テレビはおろか、電話もありませんでしたので、
 
「今度LIVE AIDというチャリティー・コンサートが、イギリスとアメリカであるらしい」
 
という「噂」と、それぞれの国のミュージシャンが出した、
 
「We are the world」(by USA for AFRICA)
 
「Do they know it's Christmas?」(by Band Aid)
 
というシングル曲を、FMで聴く以外の情報は、一切入ってきませんでした。
 
 
 
それがですね!
 
今年、DVDが出たんですよ!!
 
そして、友人が貸してくれました!!!
 
なんと、ちょうど20年ぶりの邂逅です!!
 
 
かつて、噂だけで、実際に見られなかったライヴの映像を見聞きできるだけではなく、
 
ここには、イギリス会場である、ロンドンはウェンブリー・スタジアムでの、
 
後に奇跡の20分!と呼ばれるようになった、
 
QUEENのライヴが含まれているのです!!!!!
 
このライヴが無ければ、QUEENはフレディーの死とは無関係に解散していた、と、
 
メンバー自身が認めるほどの、大成功のライヴだったのです。
 
 
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
 
ノリノリ
 
まず、ボヘミアン・ラプソディで、観客の心をワシ掴み!!
 
 
RADIO GAGA
 
すごいよ〜!手拍子も揃ってるよ〜〜!!!!!(@_@;)
 
 
端から端まで
 
ここに集まっている人たちは、べつにQUEENのファンだけじゃありません。
 
それなのに...
 
スタジアムの端から端まで、あんな遠くの人まで、
 
みんなが歌っていて、みんなが手を振って、一緒に揺れている!!!(T-T)
 
(P・マッカートニー以外、他の人のステージでは、こういうことはありません。)
 
 
 
Thank you
 
バレリーナのような、いつものお辞儀。
 
 
ナゼかフレディ
 
↑これは、フィナーレの場面。
 
みんなで「Do they know it's Christmas?」を歌ってます。
 
ボブ・ゲルドフさんは、言わずと知れた、LIVE AIDの仕掛け人。
 
フレディーもいる。ステージのど真ん中で歌ってる。
 
でも...
 
気が付いた方、いらっしゃいます?
 
実はQUEENは、Band Aidには参加してないんですよね。
 
だから、「Do they know it's Christmas?」のレコーディングにも、参加してません。
 
Live Aidにだけ呼ばれて、「何だかよく知らないけど、出てみる?」って感じで出たら、
 
意外にも、出演者中でいちばん盛り上がっちゃった!!ってことだったんです。
 
フレディーはフィナーレで、堂々とど真ん中で歌ってるしねえ...(^_^;
 
QUEEN、恐るべし!!
 
 
 
さて、Live Aidから20年の今年(2005年)、Live 8というのが行われたらしいのですが、
 
あまり話題にもならずに、静かに終わっていったようです。
 
イギリスでは、「Do they know it's Christmas?」が、
 
新たなメンバーでレコーディングされ、発売されたそうですが、こっちも酷評。
 
「時代の力」というのは、すごいものです。
 
かつてのBand AidやUSA for AFRICAの時の盛り上がりは、二度と戻らないのですよ!
 
 
 
実は私は当時から、Band AidもUSA for AFRICAも、偽善だな〜とか思っていて、
 
特に「Do they know it's Christmas?」なんて、色んな宗教の人がいる世界に向かって、
 
「今日がクリスマスだって、彼らは知ってるんだろうか?」とか...
 
そんなこと、言われたくないよね、アフリカの人!!!!と、思っていましたが、
 
レコードの売り上げが、社会基盤や食料や水になって、必要な人々に本当に渡るのなら、
 
内容はともかく、やらないよりやった方がいいと思っていました。
 
(この時、Band Aid基金に寄付するために、勢いで家売っちゃった人とか本当にいたらしい。)
 
私はLive Aidに関しては、単純に「お祭り」として、興味がありましたね。
 
当時は、メールも、今みたいなパソコンも、携帯も、無かった時代。
 
その中で、時差のあるふたつの国から、同時に、世界に向けてテレビ中継したなんて!
 
画期的でした!!
 
 
あと、今回DVDを見て密かにショックを受けているのが、
 
ミュージシャンのみなさんのルックス。
 
始めに書いたように、当時はテレビが無かったので、
 
私はラジオから聞こえる「音」しか知らなかったから。かなりびっくり!笑
 
 
 
 
それにしても、噂に違わずすばらしかったです、QUEENの「奇跡の20分」。
 
QUEENのとこだけ、独立したDVDにならんかしら。
 
...と言っても、たった20分なんですが(笑)