STRAVINSKYすき!2009年11月25日 23時45分49秒


 
今日は音楽の話!
 
 
先々週かな?街に出かけたとき、
 
中古CD屋さんを物色してた時に見つけて、
 
「う〜。これいいな〜。でも最近お金使いすぎ。我慢しよう。」
 
と、買わずに帰ってきたのですが、帰ってから家でよくよく考えてみて、
 
「でもやっぱり欲しい!次行ってまだあったら買う!」
 
と決めていたのがこれ。
 
 
stravinsky_ballet_cd
 
IGOR STRAVINSKY BALLETS-VOL.1(3枚組)
 
L'OISEAU DE FEU(火の鳥)
PETROUCHKA(ペトルーシュカ)
LE SACRE DU PRINTEMPS(春の祭典)
LES NOCES(結婚)
RENARD(狐)
L'HISTIRE DU SOLDAT(SUITE)(兵士の物語・組曲版)
SCHERZO A LA RUSSE(ロシア風スケルツォ)
SCHERZO FANTASTIQUE(幻想的スケルツォ)
FEU D'ARTIFICE(花火)
 
 
 
IGOR STRAVINSK(1882〜1971)(←ストラヴィンスキーって誰?)
 
 
このCDに収録されているのは、バレエ用に作曲された音楽です。
 
ストラヴィンスキーが、ディアギレフ率いるロシア・バレエ団と共に、
 
数々の重要な仕事を残したことは有名であります。
 
イゴール・ストラヴィンスキーさんはロシア出身で、
 
スイス・フランスを拠点に活躍。後に米国に移住された方です。
 
 
 
さて。
 
音楽のことを言葉で説明するのは、
 
私のような素人にはムリがあるので、
 
興味がある方には、ざっと聴いていただきましょう。
 
といっても、今回買ったCDではなく、
 
すでにネット上に上がってるものを、引っ張ってきました。
 
 
(あのー。
もちろん、こんな短い部分だけ聴いても曲の全体像はわからないので、
気に入った方は自分でCD探して買ってね。よろしく!)
 
 
 

 
L'OISEAU DE FEU(1909-1910)
「火の鳥」(1909-1910)
 
ストラヴィンスキーさんは、そんなにすごい大昔の人ではないのです。1971年没なので。

 
 
 

 
PETROUCHKA(1/4) (1911,1947改訂)
「ペトルーシュカ」 (1911,1947改訂)
 
愛らしさが垣間見える音楽。でもお話は人形同士の悲恋物語です。「ペトルーシュカからの三楽章」というピアノ版もありますが、こちらも大変素晴らしいです。バリバリ調性音楽でありながら、こんなにも斬新!!
 
 
 

 
LE SACRE DU PRINTEMPS (I) (1913,1947改訂)
「春の祭典」 (1913,1947改訂)
 
今演奏してる曲の上に、テンポも曲調も違う全く別な曲がかぶさってきて、元演奏されていた曲を消し去っていく。この構成を初めて聴いた時、ホントにびっくりしました。音楽のコラージュというか、かぎ裂きというか、ひとつの現実に穴を開けて、さらに別な現実を混入させるような感じ。混沌とも分裂してるとも言える。そして、そんな最新の技巧の逆を行くような、土俗的民族的なメロディとリズム。暴力的なまでのミスマッチを無理矢理合わせてしまった、力業。いや、すごい。
 
 
 

 
LES NOCES (I, 1) (1914-1917)
「結婚」 (1914-1917)
 
これもバレエ音楽。かなりカルミナ・ブラーナっぽいですね。
今回買ったCDの中で一番のお目当てはこの曲でした。過去にテレビでこのバレエが放送されてたのを聴いて、"この曲好きかもしれない"と思っていたその曲。全編聴いてみて、やっぱり好きでした。
 
 
 

 
RENARD part-1 (French)
「狐」(フランス語) (1915-1916)
 
この曲大好きなんですよ。初っぱなの「Ou ca? Ou ca? Ou ca? Ou ca? Ou ca?(どこだ?どこだ?どこだ?どこだ?どこにいるんだ?)」を聴くとワクワクです。この動画は音が小さくて残念。変なダンスも。なんでチュチュ着けてるんでしょう(笑)
 
 
 

 
RENARD (1/2) (English)
「狐」(英語) (1915-1916)
 
ところが英語版ではかなり様子が違う。ちょっと興ざめ。
 
 
 

 
L'HISTIRE DU SOLDAT(1) (French)(1920)
「兵士の物語」(フランス語) (1920)
 
この動画での朗読は作家・詩人・画家のジャン・コクトー氏です。
この曲は朗読付きと朗読無し(組曲)の2種類の方法で演奏されます。私はもちろん朗読付きを支持!なんと、この曲を初めて生で聴いたのは、今は亡き二代目露の五郎兵衛(当時は露の五郎)さんの朗読で、でした。設定は昔の日本に置き換えられ、バイオリンは「倍折」(ばいおり)と訳されていました。この公演は本当に素晴らしかったです!CDに残されてないのが非常に残念。
 
 
 

 
L'HISTIRE DU SOLDAT ( English) (1920)
「兵士の物語」(英語)(1920)
 
上のフランス語版と聞き比べていただければ、おもしろいかもしれません。
言語によってこれだけ印象が変わるのです。
(横長画面ではみ出してしまいました)
 
 
 
 
 
今回買ったCDに入ってる曲以外で好きなのはこれ!
 

 
Stravinsky: Symphony of the Psalms - First Movement(1930)
「詩編交響曲」(1930)
 
この曲はそんなメジャーじゃないので、動画探してもあまりいいのが無かった。でも好き。お経みたいなとこが(笑)ストラヴィンスキーの声楽曲は、どこかユーモラスで、カラッと乾いた感じがする。
 
 
 
 
 
 
 
*   *   *
 
 
 
 
 
・・・というワケで、いかがだったでしょうか?
 
 
 
精神性とか、音楽の深みとかを問われると、
 
正直、ストラヴィンスキーという人の音楽は、弱い部分があると思う。
 
(そしてそれは、近代〜現代という時代の性格の弱点でもある)
 
ネコだまし的反則技が次々と繰り出され、技巧に走り、
 
妙にPOPなところが軽いと言えば軽いかもしれない。
 
でも、この人の変態的リズム感覚や、曲を曲とも思っていないような、
 
曲の上に曲をかぶせて消し去るような乱暴な所行に、
 
音を操る者として、ピチピチとしたイキの良さを感じてしまう。
 
『LE SACRE DU PRINTEMPS(春の祭典)』初演の時には、
 
あまりに野蛮な音楽であると、観客が暴れて拒否したというから、
 
さもありなむ。
 
 
近代的な乾いた音、異様に多い音の数、複雑なリズム、土着の臭い。
 
破綻しそうに雑多なものを、力業でガッと合わせてしまう。
 
現代の幕開けを生きたストラヴィンスキーさんは、
 
音楽によって、見事にその時代の始まりを切り取って見せた。
 
そして、その「続き」の時代を生きている私たちにとって、
 
彼の音楽は、100年近くたった今でも、十分刺激的なのです。
 
 
 
 
 
 
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さて。次回こそ
 
『平沢進 INTERACTIVE LIVE SHOW 2009 「点呼する惑星」』レポート
 
をアップしたいと思っているのですが。
 
あと、ちょと挿し絵(?)を完成させてからね。
 
誰も待ってなどいないが。もう書いちゃったので。
 
 
 
 
じゃ、さようなら (ロ_ロ)ゞ