ブラジル2 ― 2006年07月05日 19時19分02秒
前回に引き続き、「『未来世紀ブラジル』その2」をお伝えして参ります。

「2006年7月2日日曜日の朝10時半から 『未来世紀ブラジル』を見たい人間」
が、一体何人いるのか!?
興味津々で、友人アーバンさんと共にでかけた私でした。
(何人いたっけね、アーバンさん?私ら入れて7〜8人かな?)
上映期間は1週間。
上映時間は毎日10:30〜と20:45〜の2回。
どういうお客さんがターゲットなのかわからん、厳しいスケジュールで、
超超リバイバル公開されております。
(でもこの作品に限り、料金は1000円ぽっきり。)
『ブラジル』を見た翌日、バイト先の事務所で昼ご飯を食べながら、上司が
「オレ昨日映画見に行ってんけど、満員で入られへんかった。」
と、のたまったので、「私も昨日朝から映画見に行ってたんですよー」と、私。
「オレ、『ポセイドン』見ようと思ってんけどなー。じぇいさんは何見たん?」
と、上司。
「えー。変な映画やから、7人くらいしかお客さんおらんかったんですよ。」
これで終わらせようとしたけど、さらにIちゃんの「何見たんですかー?」のツッコミに、
「えー?『未来世紀ブラジル』」って言ったら、
Iちゃんだけが「ああ!いいなー!」。
他の皆さん、何の反応もなさいませんでした(^_^;)
(だから言いたくないねんて!!)
さて。
『未来世紀ブラジル』という映画。
実は完成してから公開されるまでに、テリー・ギリアム監督と映画会社の間で、
上映時間超過に端を発した壮絶なバトルが繰り広げられた、曰く付きの作品なのです。
(興味のある方。「バトル・オブ・ブラジル」という本をお読み下さい。って、絶版でした。)
映画会社は、まず、上映時間が長すぎるので、編集しなおすよう、ギリアム監督に通告。
頑張って短くしてみせたら、まだ長すぎると言う上に、話の内容にまで難癖をつけられ、
オリジナルとは正反対のストーリー展開になるよう、勝手に編集し直されてしまいます。
オリジナル作品を守るには、もう一歩も譲れないと覚悟を決めたギリアム監督。
ある出資者の協力を得て、映画会社に隠れて映画批評家を呼び集め、試写会を敢行。
見事、ロサンゼルス批評家協会賞の1985年度作品賞・監督賞・脚本賞の三冠を達成!!
これを受けて、映画会社も『ブラジル』の再編集からは手を引き、
オリジナルのストーリーである「バッド・エンディング」のまま、
映画は無事、公開されたのでした。
ちなみに。
『未来世紀ブラジル』には、ギリアム監督編集のオリジナル版である、
「ヨーロッパ・バージョン」(144分)と、それより11分短い「アメリカ・バージョン」、
それに、映画会社が再編集した「ハッピー・エンド・バージョン」(わずか90分!)が有り、
アメリカ(?)で、この3バージョンまとめてLD化されたことはあるらしいですが、
「ハッピー・エンド・バージョン」は、劇場での一般公開はされていません。
先日も含めて、今まで私が見たのはすべて、「ヨーロッパ・バージョン」でした。
いやあ、でも、ギリアム監督は本当にトラブルに巻き込まれやすい。
そもそもの間違いは、この天才監督を起用して、
一般の観客の嗜好に合う映画を撮らせようとか、たくさんお金儲けしようとか、
そんなあり得ないことを、映画会社が真剣に考えるところにあります。
この天才を、そんな風に凡人の脳味噌内に押し込めることは、犯罪に近いです。
ものをつくる上で一番大事なのは、
「その人にしかつくれないもの」を、
「その人なりのやり方」で、
「その人がつくりたいように」つくること。
ギリアム監督は、それを易々とやってのける人。天才なんだから。
そんなギリアム監督も、もう65歳。
気力も体力もあって、バリバリ映画を撮れる時間は、そう多くはないのです。
大金が有り余っている誰か!ギリアム監督の映画を心から愛している誰か!
ギリアム監督に、資金も長さもストーリー展開も、何もかも丸投げして、
好きなように映画を撮れるようにしてあげてくれー。
そうやって、何の制約も無く撮ったギリアム監督の作品を、一度は見てみたい!!
(多分、めちゃめちゃ長大で、奇妙なカルト映画になるんでしょうね。ワクワク!)
あ。それから。
ギリアム監督が、そもそも漫画家+イラストレーター+アニメーターで、
イギリスのギャグ集団「モンティ・パイソン」の最年少メンバーで、
その監督人生は、そもそも「モンティ・パイソン」の映画を監督したことから
始まったことは、有名な話ですが、
私も、そもそもは「モンティ・パイソン」が大好きで、幼少時に姉とふたり、
テレビにかじりついて、楽しみに見ていたものです。
あの、人としての倫理にも触れるようなブラック・ジョークを見て、
小学生の女子が琴線を振るわせていたとは、なかなか素晴らしいことです。
ちなみに、私の同年齢の幼なじみも、リアルタイムのパイソン・ファンでした。
(どういう子どもなんだ、まったく!!!!!!!!)
でもそのお陰で、早い時期に「あ!子どもの頃に見てたパイソンの人や!」
と、ギリアム監督を発見することが出来たのでした。
うふふふ。
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ということで、でらしねさん。
でらしねさんも、この近辺に住んでおられたら、ご一緒できたのにね。
ギリアム監督関連の私のおすすめは、前にコメントさせていただいたとおりです。
でも、なぜに今「ギリアム」で、「バロン」なの???????
絶滅危惧種の自覚があるギリアム・ファンとしての、素朴な疑問。
さゆぞうさん
「アジア通」は言い過ぎか...つい自分と比較してしまうので、ごめんなさい。
そうか、お香って、香木の香りよね、ふつうは。
やはりロータス・ティーは甘いお花の香りだ。
キンキラキンのお寺かあ。
私が外国のお寺で一番興味をそそられるのは、チベットはラサのポタラ宮かな。
歴代ダライ・ラマの宮殿。今は亡命して住んでないけど。
あそこに登って、あの強風に煽られたら、何かもの凄いことがひらめきそう。
私は宗教は信じてないけど、人のお願いとかお祈りとかが集まる場所には、
なんとなく「何かとんでもないものがありそう...」というイメージがある。
タイやカンボジアやベトナムの寺院遺跡も、チャンスがあれば見てみたい。
そして今気になっているのは、『仏像のひみつ』という本。
装束やポーズや印の結び方など、解説が載っているという噂。
本屋で探してるけど、見つからない。内容見ずにネットで買うと、失敗するしね。。。
Camideさん、いらっしゃい。
「ローズ・イン・タイドランド」。
いやー、神戸の方だって、公開するの、わずか1館だけよ。
ホントに冷遇されてる、ギリアム監督。
私は「お化け屋敷」より、「悪魔の経営するオペラ座」ギリアム派です。
でも、すごく良かったでしょー?ブラジルもバロンも!!(^_^)
(初めて「ブラジル」を見たのは、今は亡き「武蔵が辻テアトル」だったと思う。)
なぜあの面白さが大勢の人に理解されないのでしょうね...(/_;)
「男ジダン」は、4年前の怪我上がりとは違い、活躍してるようですね。
ナカタのニュース、速報で流れたの!?
....あああああ!!日本国、危うしですね。
他に大事なニュース、自明のことなのに誰も伝えようとしないニュース、
いっぱいあるんでしょうにね。逆に、ねつ造されたニュースもね...
アメリカの同時多発テロ以来、情報操作されてる感がどんどん強くなってきてる。
もちろん、ナカタ選手が悪いのではなく、操作されていることに怒らない、
私たち一般市民が悪いんですけどね。
(そうだ!こんな時代だからこそ、警鐘としてギリアム監督の映画が必要なのだ!!)
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わーーー!!!
上の文章を書いて昨夜寝たら、
今朝方北朝鮮が日本海に向けてミサイルを6個も打ったよ。
もう何ヶ月も、「打ってくるぞー打ってくるぞー打ってくるぞー」と、
アメリカ政府も日本政府も、お経みたいにナムナム唱えていたけど、本当だったんですね。
ネットで色々検索していると、中には、
「北朝鮮がミサイル発射準備しているというのはガセだ。アメリカ政府がイラクやイラン情勢から目を背けさせるために、情報操作するために流している。」
という意見を書いてる(自称?)ジャーナリストなどもいて、
私なんか、何が本当かわからないので、「う〜〜〜ん?」とずっと思っていたのです。
しかし、いきなり6発。え!?今見たら7発に増えてる!!
まだこれからも打つの!?
やめてくれ!もしアメリカが出てきたら、それは戦争じゃないか!!
こんなブログ書いて遊んでる場合ではなくなる!!!
それに、「ほら!やっぱり北朝鮮には強硬姿勢で立ち向かうべきなんだ!」
と考える人が今より増えて、自民党に投票して、安倍シンゾーが総理大臣になり、
靖国神社には参拝するは、韓国中国とさらに敵対するは、自衛隊は外国で活動の場を広げ...
親方アメリカはガタガタになっていき...日本はアジアで孤立...
ああああああ!もうこれ以上は考えたくない。
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こんな狂った世界の中で、わずかな慰めとして。
『ロータスのツボ2』更新してます。
コメント
_ アーバン ― 2006年07月06日 22時22分24秒
や~。朝イチのブラジルはすごかったですね。気合いれて30分前に到着して整理番号が1番と2番だったのは笑えましたが(^_^;)またよかったら本貸してください。バンデットQも貸してください。
_ Camide ― 2006年07月09日 00時02分05秒
じぇいさんのギリアム詣でに負けまいと・・・言う訳じゃないですが、昨日久しぶりに相方と「かもめ食堂」を観てきました。群ようこ原作の映画化ですが、なぜかフィンランドで小さな日本食堂を始めた女性(小林聡美)とそれに係わるワケありの2人(もたいまさこ、片桐はいり)andヘルシンキ市民の皆さん。というお話。全編フィンランドロケだろうに、全然、観光地も映っていない映画なのだけれど、ちゃんと時間と空気がみえるのよ。主演の3人がホントいいんだわ。じぇいさんの趣味とは少し違うかもしれないが、観る機会があれば僕はおすすめです。
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