じゃこうねずみの弟子2007年06月05日 17時29分38秒


 
 
 
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これは、先日、某ギャラリーさんから届いたDMの束の中に入っていた、
 
あるシンポジウムのチラシの一部分です。
 
タイトル読めます?
 
ズバリ、
 
 
『金と芸術』(←クリックでシンポの内容についてもう少しだけ詳しく)
 
 
 
 
「なんじゃこりゃ?」と思ってチラシの中身を読んでみると、
 
もともと『金と芸術』(ハンス・アビング著)
 
サブタイトル "なぜアーティストは貧乏なのか?-芸術という例外的経済-"
 
(嗚呼!サブタイトルが身につまされる・・・(/_;))
 
という本があって、その内容をたたき台に、
 
「日本におけるアートと経済の関係」について話し合う、シンポジウムらしい。
 
そも、日本に「アートと経済の関係」が存在するのか?という疑問はさておき。
 
去年NYのアートマーケットの存在にカルチャーショックを受けて帰ってきた身として、
 
かなり興味深いテーマではあるので、聞いてみたいな〜。
 
でもこれ、会場は東京です。ムリですね。残念。
 
 
なら、『金と芸術』を買って読んでみようかな、と思ったけど、値段高い!
 
(この値段では中身を見ずには買えな〜い)
 
同じようにアートと経済について綴った本では、
 
最近本屋さんで、村上隆の『芸術起業論』をサラッと立ち読みしたけど、
 
「村上さんは成功して良かったデスね!おめでとう!」
 
っていう感じの内容だったので、買ってまで読む気にはなりませんでした。
 
 
 
 
それにしても。
 
去年経験したカルチャーショックは、相当なダメージで、
 
ちょっと前に某画廊のオーナーさんと飲みに行った時にも、
 
某後輩さんの個展を見に行った時にも、
 
オヤジの説教のように、口をついて出てしまいました。
 
『私(たち)がやってること(画廊で作品を発表すること)は、
 
 日本の世の中の仕組みに何の関連性も無い!』
 
んだ、ってこと。
 
ずっと以前から薄々感づいてはいたのですが、
 
去年のNYで、直視せざるを得なくなった気がします。
 
もっと若い頃は、世の中と繋がってないことを逆に、
 
『特権的存在』みたいな、
 
良いように解釈していたところがあったのですが、
 
展覧会を重ねてきた最近、それは『特権』じゃなくて、ただ単に、
 
『無視・排除され、浮いてるだけ』の話なんじゃないの?
 
と、思い始めてきました。
 
 
 
NYで見たものは、ショッキングでした。
 
食料品や服と同じように、経済活動の中でやり取りされる物品の一つとして、
 
社会に組み込まれたカタチでの「芸術」がある。
 
「芸術」と言うより、正に『アート』という呼称がぴったりな存在として、ある。
 
 
ギャラリーは作品を展示・販売するためのショールームで、
 
作家は作品(=商品)をギャラリー(=商店)に納入する製造元。
 
そして、ギャラリー(=商店)に作品(=商品)を買いに、お客さんが来る。
 
そして、作品を気に入って値段が合えば、買う。
 
ギャラリーには販売手数料が入り、作家には手数料を引いた売り上げが入る。
 
この仕組みを『芸術への冒涜だ!』と断ち切ることのできる人は幸いですが、
 
そんなこと、とてもじゃないけど、私には言えません。
 
作った作品が売れて、そのお金で生活できて、制作もできるのであれば、
 
それ以上幸せなことは、無いじゃないですか!!
 
 
誤解しないで下さいね。
 
私は『売れるために自分を殺して売れ筋作品を作れ』と言ってません。
 
ただ、一般の人が、
 
『作品を気に入ったら、買う』
 
この単純な行動パターンが、NYにはあって、日本には無い。
 
NYだって、作品が売れて生計が成り立つ人は多くはないでしょう。
 
でも、日本に比べれば、チャンスはまだある。
 
この違いの大きさは、作家にとって、致命的です。
 
(日本でも作品の販売で生活してる作家さんはいる。けど、極く一部。)
 
 
 
今日本中で毎日開催されている個人の展覧会のほとんどは、
 
「こんなん作りました〜。みなさん見てくださ〜い。」という、
 
非営利の『発表会』なんですね。
 
なんで非営利かというと、日本には、作家から見て、
 
収入の入ってくる構造が、ほぼまったく無いに等しい。
 
「ほほー、よく頑張っておられますね」「良いご趣味ですね」
 
と言うだけで、展覧会を見た誰も作品を買いません。
 
そりゃ、日本人にはそんな慣習無いですから。私だって、そうです。
 
でも、展覧会を開くには、場所を借りてDM刷って送って作品運んで・・
 
数十万円単位の費用がかかっています。
 
だから、作品を制作して発表すればするほど、
 
作家は貧乏になっていくしかないんですよ。
 
『今さら何を寝言言うてんねん?』って話ですけどね。
 
 
でも、そこのところ、もうちょっとどうにかならないかと思うんです。
 
利益を出したい!なんてことまでは言いません。
 
せめて、展覧会をするために出費した分だけ作品が売れて、
 
収支が+-ゼロになってくれれば、次の個展の費用が捻出できて、
 
極端な赤字になることはなく、発表を続けて行ける。
 
 
貸しギャラリーは、貸す作家からレンタル料が発生するから、
 
経営は厳しいかもしれないけど、経済的に回って行くからまだ良いですが、
 
作家は延々と払い続けるだけ。
 
払えなくなったら、発表をやめるしか無いんですよ。
 
 
 
 
 
 
・・でも、誰に頼まれたわけでもなく、自分が好んでやってることなので、
 
『イヤだったらやめれば?』っていうだけの話です。
 
「そんなに日本がイヤなら、どっか他の国に行ったら?」
 
「文句言ってるヒマがあったら、営業努力でもしたら?」と、
 
自分でも思うくらいです。
 
(でも、それが出来るくらいなら、日本で、しかも絵なんか描いてませんわ!)
 
バカ正直に絵だけ描いてても、ダメなのかもしれません。
 
世の中で生きて行くには、他にも必要なものがあるんですよね。
 
自分でもわかってるんですけどね。
 
 
 
そう。
 
そもそも、私が描いてるものがつまらんからダメなんだという見方もある。
 
人が見て、『うわ〜!これ、ぜったい欲しい!!』って思ってもらえるような、
 
圧倒的なものを描かない限り、今のゆるゆる状態で続けていても、
 
現状の上塗りでしか無いのかもしれない。
 
 
『お前ホンキで描いとんなら、根性見せいっっ!』
 
 
ってことなんでしょうね。
 
こういう文句タラタラは、その後に言うセリフかもね。
 
 
 
 
 
 
・・・ああ、だがしかし!!!!!
 
また、何をやっても無駄な気がしてくる。
 
『ムダじゃムダじゃ』って、
 
ムーミン谷のじゃこうねずみさんの口癖でしたね。。。
 
ああ、ムダじゃ!!!!!
 
 
 
 
 
*  *  *
 
 
 
 
現代作家さんの展覧会を見に行く皆さんへ、お願い
 
ONE トイレ ONE アート!

 
 
 
どんな小さなお家でも、トイレには必ず壁面があるでしょ?
 
小さい作品なら、飾れます!
 
 
気に入らないのに『買え!』とは言いませんが。
 
でも、ギャラリーに入って、作品を見て、
 
ちょっとでも「良いな」と思ったら、ぜひ値段を確かめて下さい。
 
数千円〜1万円台の、お小遣いで買える絵や版画、たっくさんありますよ!
 
もし値段が予想よりも高かったら、恥ずかしがらずに、
 
ダメ元で、オーナーか作家さん本人に交渉すること!
 
作品は、気に入ってくれた人に所有してもらうのが一番。
 
「私はこの作品が大好きなんです!」オーラを出しつつお願いすれば、
 
多少の値引きはしてくれる可能性があります。
 
あと、お近くであれば、1度ではなく、2度3度行って、根性を見せるとか...(笑)
 
会期最終日は、交渉するには良いタイミングかもしれません(こっそり)
 
あ。もちろん、払える値段なら、ディスカウントはしないでくださいよ・・(/_;)
 
 
 
 
※尚、ワタクシは悪徳業者(笑)なので、値引きは極力いたしませぬ故、ご容赦!
 でも、個展最終日の4時半にお願いされたら、ウンと言っちゃうかも(*^▽^*)
 
 
 
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みやみやさん
 
そうか。みやみやさん、血、薄かったよね。
私はそういうの調べるまでもなく、型ではねられました。
最近献血に行った方、いらっしゃいますか?粗品は何もらいました?
(結局知りたいのはそれかい・・(^_^;)
 
作詞は最近どうなんでしょう。また採用されたらいいね。
私の絵は、入「賞」ではなく、入「選」です。賞には入りませんでしたとさ。
 
 
しんじさん
 
ありがとうございます。今頃はもう日本でしょうか?
でももう、マジで嬉しくなくなってます。誕生日。
自分がトシ取るということは、私の親兄弟もトシを取るということ。
それを思うと、悲しくなってくるんですよ。。。
仕方のないことなんですけどね。
 
自分なりの考えを、人にも分かるように表現するの、難しいですね。
でも、芸術表現は、自分の考えは譲らない方が良いような気がします。
学問は、人から人へバトンを渡して積み上げて行く遺産相続みたいなものですが、
芸術はそれとはまた違って、一代で終わって良いものですからね。
「狂ってナンボ」みたいなとこあるし(笑)
 
 
ふとしくん
 
そっちも並んでますね〜、地塗り済みキャンバス。
キャンバス張りと地塗りって、無我の境地で作業できるとこが好き。
さて、最近フナオカから「おたすけセブン」という新製品が出たの、知ってる?
ふとしくんに「額が貧相や」と指摘されたのをはじめ、
個展の度に「このフレーム..この額がイカン...」と言われ続けて早20年(苦笑)
最近は、初対面の人に『額付けるのやめたら?』とまで言われる始末。
そこへ朗報!!この「おたすけセブン」を使えば、
私にも、釘の見えないスッキリキャンバスを張ることが出来るかも?!
そしたら晴れて、不評の額ともオサラバさ!
次、画材屋さんに行ったら、買ってきます(^_^)
 
>Performa4400/200現役ですぞ。仕事はもっぱらこっち。OS8で。
>第七餃子、年に1、2回通販してます。
 
お、OS8...(驚)!恐れ入りました〜m(__)m&第七食べたい・・・
 
 
 
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まあ、こうやって不平不満を言っている時は、精神状態が悪い時です。
 
文句ばっかし言って、行動が伴っていない時。
 
溢れる妄想力により、心配事、不安な事が雪だるま式に膨れあがって、
 
限界が来るまで悶々として、ある日突然、
 
『ええ加減にせえ!とりゃー!』と全部投げ捨ててスッキリ。
 
『さあ、そろそろ絵でも描くか・・』
 
というパターンです。いつも。
 
これだけ分かっていて、でも、同じ事をくり返すというのは、
 
もうこの性格はどうしようもない、変えようが無いってことか・・・
 
 
ということで、今回は、「じゃこうねずみの弟子」がお送りしました。
 
 
 
『Lotusのツボ』、更新しております。
 
文句ひとつ言わない、麗しいLotusさんたちをご覧下さい。
 
 
 
 

コメント

_ Camide ― 2007年06月05日 21時54分24秒

じゃこうねずみかぁ。コレって、ウチの相方が一番好きなキャラです。スナフキンじゃなく、じゃこうねずみが良いそうで、相方は最近、軒下に取り付けたハンモックにゆられて「むだじゃ、むだじゃ・・・」と僕に向かってつぶやいております。

_ みやみや ― 2007年06月06日 22時08分01秒

入選おめでとう。(失礼しました。)
作詞は、これまで書きためたものに付曲して
ぼちぼちステージにのせていこうかなと
思ってるところ。
絵なら飾れば目にもつくけど、歌詞はメロディが
つかないとただ眠っているだけやからね。

_ のむのむ ― 2007年06月07日 23時53分55秒

おめでと。えかったえかった。
展示されて、見てくれる人がいて、いろいろ感じてくれて・・・・
・・・・そして、描きつづけよう・・・
みやみやさんは歌いつづけてね・・・

_ Win使いの盆栽中年 ― 2007年06月09日 00時55分40秒

『金と芸術』,面白そうなシンポジウムですね。

大昔(?),わたしがまだ学生だった頃,
パネリストの一人の岩渕先生の講義を聞いた覚えがあります。

「アメリカでは政治家や実業家が美術館の館長になって,
運営資金をかき集めてくることが彼らの仕事だけれど,
日本だと館長職は天下りの受け入れ先」
とか
「キューバは現代アートが金になることを国家レベルで認識していて,
芸術を外貨獲得の手段として振興している」
というような刺激的な話が聞けるのが楽しみでした。

ほぼ毎回出席でレポートもきちんと出したのに成績はBでした(笑)。

_ アーバン ― 2007年06月16日 19時34分29秒

なんと携帯からブログみてます。見れるもんですね…(^_^;)最近パソコンを旦那に占拠されているので、これからは携帯からたまにおじゃましてみます。月曜はいよいよですね。姉さんダッシュ頑張って下さい!

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