神様へのレポート-追悼:熊田千佳慕さん ― 2009年08月14日 23時15分47秒
『おやゆびひめ』表紙(左)と裏表紙(右)
画家でデザイナーの、熊田千佳慕(くまだ・ちかぼ)さんが、
8月13日に亡くなられました。
幼少時、我が家に何冊かしか無かった絵本の1冊が、
『おやゆびひめ』でした。
(本もおもちゃも、そう簡単に買ってもらえる家ではなかったので)
まだ字もよく読めない頃から、何度開いて見たか分からないほど見た、
大好きな絵本でした。
背表紙が無くなり、ガムテープで補修がしてあって、
もう誰の絵か誰の文章かも分からなくなっていたので、
これが千佳慕さんの絵だった、と知ったのは、実は数年前のことです。
(少ない数でも、良いものを与えてくれたことを、コッソリ親に感謝しました。)
「この絵本が私の原点でした!」
などと、調子のいい作り話をする気はありません。
でも、この本がうちに無かったら、私の何かが変わっていたかも。
そんな気はします。
それくらい、何度も何度も、繰り返し見ていました。
チューリップの花から生まれたおやゆびひめと、育てのお母さん。
こがねむしにさらわれたおやゆびひめ。
昆虫たちにからかわれています。
ひとりぼっちになったおやゆびひめ。
小鳥たちと仲良しになります。
価格が¥90!!!
本当に、長く長く仕事をされた方でした。
・・本当に、美しい絵です。
子供がこの絵を見て、惹きつけられて離れられなかったのは、
ムリも無いことだと、大人になった今も思います。
千佳慕さんは、ご自分の絵について、
『私の絵は、神様へのレポートなんです』
と、おっしゃっていました。
人に見せて喜んでもらいたい、とか、
自分の表現したいことを形にしたい、とか、
表現する人には、色んな考えの人がいます。
でも。。。。そっか!
見せる相手が人間じゃなくても良いんですよね。
人、人、人・・・
自分の絵の向こうには、常に誰か人が居て、
評価を下したり、
値踏みをしたり、
そんなことに気を取られていると、
自分が何のために描いているのか、よく分からなくなるんですよ。
そんな時は、千佳慕さんの真似をして、
『神様に見てもらおうと思ってね!』
そう言って良いんだ、と思いました。
『おやゆびひめ』、大事にします。
そんでもって、グズグズ言ってないで、もうちょっとだけ、
神様相手に、頑張ってみます。
* * *
熊田千佳慕さんをあまりご存じ無い方は、読んでみてください。
wiki:熊田千佳慕(熊田五郎)
【PingMag】97歳現役、植物画の巨匠:熊田千佳慕
画家 熊田千佳慕さん | スペシャル対談
松屋創業140周年記念 熊田千佳慕展
99歳の細密画家〜プチファーブル・熊田千佳慕展:京都
2009/9/9(水)〜9/21(月・祝) 京都高島屋。ぜったい見に行きます!
※本日は熊田千佳慕さん追悼ということで、コメントへのお返事はまた今度。
最近のコメント