「河童のクゥと夏休み」2007年08月22日 15時17分54秒


 
 
見てきました!
 
『河童のクゥと夏休み』
 
 
20070822_1
 
(パンフレットとうちわ。アーバンさんありがと!)
 
 
 
ひとこと。
 
良かった!
 

 
 
 
心ある大人が、この映画を見てボロボロ泣いてしまう、
 
そのワケがよーくわかりました。
 
もう、最初から最後まで、映画の全編通して、クゥが訴えてるのですよ。
 
『なんでこうなったの?誰のせいなの?』
 
(人間は、なぜこんなひどいことをするの?)と。
 
そして、クゥのメッセージを実感を持って受け止めてしまうのは、
 
子どもの頃に遊んだ山や川や池や原っぱや・・そういうものが、
 
自分が大人になった現在、すべて失われてしまった。
 
その変化の過程をつぶさに見てきた、今の子どもの親以上の世代なんですよね。
 

 
しかも、お話の作りが、河童という空想上の生き物(ということにしておきます)
 
の存在を別にすると、非常にリアルなんです。
 
現代の大人や子どもの抱える病理を、河童という、突如現れた「異物」の存在を通して、
 
浮き彫りにしてるのです。
 
「異物」を受け入れ、生活を共有することに、今の日本人は寛容さを失いつつあります。
 
例えば学校や会社や組織の中でのいじめもそう。
 
 
それでも。
 
 
「自分が自分のままでいていいんだ」
 
そう思える強さを持つことの、大事さ。
 
広い世界の中には、自分の存在を認めてくれる人が誰か必ずいて、
 
その人がいれば、孤独と向き合いながらも、ちゃんと生きて行ける。
 
仲間が死に絶えたことを悟ったクゥも、でも、悪い人間ばかりじゃないことを知り、
 
「河童はもういないこんな世界だけど、自分はここで生きてみよう!」と思い直す。
 
そんな前向きなメッセージが、映画の根底にこんこんと流れてもいるのです。
 
 
 
そう。
 
「流れて」いる。
 
 
この映画には、最初から最後まで、たくさんの水が出てきて、
 
そこに悪い水など存在せず、いつも生きとし生ける者に潤いを与え、
 
時代が変わっても変わらず、全ての存在を包み込むように、
 
延々と流れ続ける水の姿があります。
 

 
 
それから、クゥとおっさん(=という名前の犬)が会話し始めるところから、
 
私はグッと映画に引き込まれてしまいました。
 
クゥは、人間とそれ以外の存在を結ぶ、ちょうど中間に居る存在なんだと。
 
非常に危ういけれど、貴重な存在なんだということが、よく分かりました。
 
あそこから、映画の世界観が、バーーーッと広がりますね。
 
だから、終盤、
 
トラックの中のクゥとこういち(=クゥを見つけた少年)が会話するところでは、
 
こういちもまた、これからは「中間に居る存在」として、
 
生きて行く(行かざるをえない)という、不幸な幸せを予感させます。
 
 
ラストは・・・「良かったね」と素直に思えないのは、
 
私たちは、クゥが見つけた楽園が、
 
もうそう長いこと、楽園であり続けられないかもしれない、ということを、
 
心のどこかで知っているからでしょう。
 
でも、楽園を楽園のままにしておくことが出来るのもまた、
 
私たちの意志ひとつだと思うんですが。。。
 
 
 
 
 
*   *   *
 
 
 
 
これはある意味"大人のための映画"かもしれません。
 
上映時間が長い(138分)のと、お話がしみじみしてるので、
 
腰を落ち着けてものを見る習慣の出来てない小さい子は退屈するらしく、
 
けっこう劇場の中をウロウロしてましたね。
 
小学校中学年以上〜大人向けって感じでしょうか。
 
(わ!幅広!)
 
 
 
大人と子どもは合わせ鏡。
 
大人にとって辛い時代は、子どもにとっても辛い時代です。
 
(その逆もまた)
 
「自分には居場所が無い」と思っている子どもと大人。
 
いじめられて、「もう死にたい」と思っている子どもと大人。
 
あなたが、クゥにとってのこういちになれるように。
 
あなたが、こういちにとってのクゥになれるように。
 
これ見て、自分から新しい世界に飛び込む勇気が出たら良いですね。
 
 
 
見てない方は、ぜひ!
 
 
 
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さゆぞうさん
 
あなたのために作ったアニメ。ウケていただけて良かった!
横髪刈り上げから、最近は明らかに伸ばしておられると見たので、
将軍様ヘアからの脱却を願って長髪バージョンにしてみました。
これからまた腰まで伸ばし始めたらスゴイけどね。
髪型の逸脱!
これこそテクノだ!
 
 
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『河童のクゥと夏休み』 。
 
レディースデー(毎週火曜日女性は¥1000)に見に行ったので、
 
子ども連れのお母さんと一般女性で、満席!
 
「お立ち見となります」と出ていたけど、とりあえず入ってみたら、
 
「立ち見」ではなく、通路に地べた座りして見る方式。
 
これがなかなか快適でした!椅子は疲れるけど、地べたに座ると楽ちん!
 
ミニシアターだったから、後ろの方の通路でもラクラク画面が見えました。
 
子どもさんには、プラスチックの低い椅子も用意してくれるし。
 
座席空いてても、「立ち見券」を販売して欲しいくらい!
 
できれば、「当日立ち見券¥1000」って、作って欲しい・・・
 
ビンボー人。
 
 
 
 『Lotusのツボ3.5 Gold』更新しております。
 
悲惨だ!!!!!