Christoph Eschenbach 讃! ― 2007年12月15日 19時47分10秒

昨夜はテレビで凄いものを見てしまいました(^-^)
夕方、仕事の休憩時間に事務所で新聞のテレビ欄を見ていて、
「あ、これ見たい。
でも、10時前に家に着いてご飯食べてグダグダしてたら、きっとムリやな・・」
と思ってそのまま忘れてたんですが。
仕事が終わって家に帰ってご飯食べ終わっても、
まだ家の者がお風呂に入ってたので、
風呂待ちに、なんとなくテレビをつけたのです。
チャンネル色々移動してたら、「あーーーーーー!!!!!」
『NHK音楽祭2007ハイライト 華麗なるオペラ・バレエ音楽の世界』
やってるやってる!おお、まずはゲルギエフか。
新聞のテレビ欄をもう一度よく見ると、
「ストラヴィンスキー、ラベル、ゲルギエフ、エッシェンバッハ」の名前が。
おおお!イゴール・ストラヴィンスキー!!!!!
ストラヴィンスキーの作品は、全部好き!!
(もちろん、全曲聴いたことなどございませぬが・・(^_^;))
「これは風呂に入ってるバヤイではないぞ」と思って、
腰を落ち着けて長期戦の体勢に入りました。
終わるの、1時40分やし。日付変わるし(笑)
ゲルギエフさんは、この10年くらいでメキメキ有名になられて、
私でも名前を知ってるくらいの、ロシアの指揮者さんです。
ゲルギエフ指揮『春の祭典』のVTRが流れました。
んんんんんーーーーーー?????
ドッタンバッタンと、あんまり好きじゃない演奏でした。
確かにストラヴィンスキーの作品は、ドタンバタンしてるんですが。
とにかく、なんか、がさつな感じがして、あまり感心しませんでした。
あ。「ワイルド」とか言ったら、褒め言葉になるんかな。
次。
宮本亜門さん、小林十市さん(元ベジャール・バレエ団)、専門家のおじさん、
3人の感想とか、次のVTRに関する紹介などあって、
クリストフ・エッシェンバッハさんのVTRへ。
パリ管弦楽団と共に、黒ずくめのツルツルのおじさんが出てきて、
ストラヴィンスキーの『火の鳥』を演奏し始めました。
「エッシェンバッハ。名前は知ってるけど、聴いたことは無いな。」
出てきた時、「お、このおぢさんカッコイイ!」とか思いましたが、
まあ、曲の最初の音から、ビックリ!
「わーーーーーーーーーーーー!何これ!凄い!(@_@;)」
さっき3人のゲストさん達が口々に、
「ところでパリ管弦楽団、どう思われました?ビックリでしたよね?」
って、興奮気味に語ってたけど、
「もうもうまったくもう、そのとーーーーり!」という感じです。
エッシェンバッハさんの指先から、細い細いピアノ線が出てて、
楽団のひとりひとりに繋がってるのが見えるようでしたよ!
指揮者と演奏者の間に、ものすごいインテリジェンスの光線が、
バシバシ走ってて、「通じてる!」「繋がってる!」感がありあり。
演奏者一人一人がそれぞれ自分の音を出しながら、
そのたくさんの音が、指揮者によって、ものすごく精緻に統合されてて、
「音色」って言葉があるけど、とにかく本当に音に色が溢れてる。
色彩豊か、音キラキラ!
死んでたり沈んでたりする音など、ひとつも無い!
そういう感じ。
華やかでいて、美しく、インテリジェンスも光ってる。
まあ、ホントに凄かったです。
あんな『火の鳥』聴いたこと無い!
あれを劇場で、生で聴いたら、震えが来るでしょうねえ・・・・(T.T)
ああ、凄かった・・・・!
『火の鳥』が終わって、次はラベル。
VTRは、『マ・メール・ロワ』『ラ・ヴァルス』『ボレロ』。
『火の鳥』が凄かったので、また座り直して期待してたんですが、
『マ・メール・ロワ』『ラ・ヴァルス』の2曲は、美しかったけれども、
『火の鳥』ほどのインパクトは無く・・まあ、曲の好みのせいかな?
で、大好きな『ボレロ』に期待して、『ラ・ヴァルス』の後、
また座り直しました。
『ボレロ』が流れる前に、エッシェンバッハさんの語りがあって、
「ボレロのリズムは終始小太鼓が奏でます。
私はこの曲の緊張感を保つために、いわゆる指揮をせず、
目だけで演奏者に合図を送ることにしました。」
とのこと。
「えーーーーーー!?」と思ってるうちに、『ボレロ』が始まり。
あっはは!本当に、指揮してない!突っ立てるこの人!(^0^)
(↑上の写真参照↑)
本当に、指揮台に突っ立って、両腕下ろしたまま、時々目をムいてるんです(笑)
隣の部屋で家族が寝てるので、変な笑い声はたてられず、
黙ったままひとりで笑ってました。
もう、音なんかそっちのけ!
「ケータイのカメラ!」と思いついて、テレビの画面を撮ってみた次第。
で、肝心の『ボレロ』の演奏が良かったのか悪かったのか?
これはもう、私にはわかりましぇーん!(^◇^;)
ただ、一生に一度くらいしか出来ない奇策をやってくれた、
(『ボレロ』はいつもこの「目力指揮」がお約束なのかもしれないけど)
この黒ずくめのおぢさんに、心の中で、
「ブラボー!」
と叫んでいました。
そして、終曲と同時の会場のお客さんの拍手喝采は、ものすごかったです。
後で「このおぢさん、どんな人?」と思って調べたら、個人のHPお持ちでした(笑)
日本語があるところが有り難い!しかもキッチリ作ってあります。
Christoph Eschenbach
そのキャリアをピアニストとして始められたそうです。
私でも名前知ってるくらいだから、超有名な方です。
ポーランド生まれのドイツ人。御年67歳。
第二次大戦の戦禍によって、早くに両親を亡くされたようですね。
その後は養父母に恵まれ、音楽の世界で怒濤の快進撃。
実は幼少期、出来たばかりのベジャール・バレエ団に入団したかったそう。
はいはい!こういうルックスのダンサーさん、いるいる!
ピナ・バウシュのヴッパータール舞踊団とかに普通にいそう。
・・ということから推察できるように、非常に強い美学をお持ちのようで、
ご本人は黒のスタンドカラーのシャツ+黒のパンツ。
パリ管弦楽団のメンバーも、男性はスタンドカラーの黒ジャケットを、
全員お揃いで着てます。
「あ、ユニフォームがあるって、ちょっと珍しいなあ」と思いました。
でも、こういうちょっとしたことで、ステージでの楽団の印象も、
随分変わるもんだな、と思いましたよ。
何か、ひとつの美学に貫かれた統一感を感じるんですね。
(楽団員さん、本当は普通の衿のあるジャケット着たいかもしれないけどね。)
あと、リハーサル風景が何度か流されたのですが、
エッシェンバッハさん、パリ管弦楽団の芸術監督だけあって、
ちゃんとフランス語で通訳無しで指示してるんですよね。
まあ、当然と言えば当然なのかもしれないけれど、
きっと、フィラデルフィアに指揮しに行けば、ちゃんと英語で話すんでしょうね。
ヨーロッパの人たちの、底力って、こういうとこにも垣間見える気がする。
たかが言語だけれど、されど言語!
言語が共有できなければ、意志の疎通は制限されるでしょうから、
自分の表現を確実に伝えるために、必要なものは身につける。
当たり前だけど、やっぱり凄いことです。
ということで。
長々とダベりましたが、とにかく「凄かった!」という感想でした。
ああ、見て良かった〜〜〜〜〜〜(*^_^*)
******************************
追記:
あ"−−−−−−−−−−−−!
こんなの発見してしまったぁ〜! llllll(-_-;)llllll
クリストフ・エッシェンバッハ /フィラデルフィア管弦楽団/ 五嶋みどり
■2008/5/25 (日) 4:00PM
会場: 兵庫県立芸術文化センター 大ホール(兵庫県)
一般発売:2007/12/18(火)
し、明々後日、一般発売・・・
呼んでいるのか・・エッシェンバッハー!!!!!
でもでも、パリ管弦楽団じゃないし・・・・
あ"ーーーーーー!(悩)
コメント
_ さゆぞう ― 2007年12月16日 03時48分33秒
_ じぇい ― 2007年12月16日 23時26分53秒
さゆぞうさん
そうなのだ。
あの毛の薄い(え!)小柄なおぢさんと同じ色の変態オーラを感じたさ。
ただひとつだけ、違うところがあって、
あっちのおぢさんは "黒ずくめの小さなおぢさん" だけど、
こっちのおぢさんは "黒ずくめの大きなおぢさん" なのだ。
まあそれ以外、おおむね同一種と見てよし。
コンサートは、本日演目等検討した結果、見送ることにしました。
東京公演もあるから、さゆぞうさん、
"黒ずくめの大きなおぢさん"を確かめに行くもよし。
そうこうしてるうちに、"小さいおぢさん"の公演があるかもだ。
(全曲『目力バージョン』だったらどうしよう・・)
※『目力ボレロ』は、エッシェンバッハ氏の持ちネタであることが判明。
『ボレロ』の時はいつも"地蔵"なんだそうです(笑)
そうなのだ。
あの毛の薄い(え!)小柄なおぢさんと同じ色の変態オーラを感じたさ。
ただひとつだけ、違うところがあって、
あっちのおぢさんは "黒ずくめの小さなおぢさん" だけど、
こっちのおぢさんは "黒ずくめの大きなおぢさん" なのだ。
まあそれ以外、おおむね同一種と見てよし。
コンサートは、本日演目等検討した結果、見送ることにしました。
東京公演もあるから、さゆぞうさん、
"黒ずくめの大きなおぢさん"を確かめに行くもよし。
そうこうしてるうちに、"小さいおぢさん"の公演があるかもだ。
(全曲『目力バージョン』だったらどうしよう・・)
※『目力ボレロ』は、エッシェンバッハ氏の持ちネタであることが判明。
『ボレロ』の時はいつも"地蔵"なんだそうです(笑)
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つくづく黒ずくめの毛の薄い(はぅ!)小柄なおぢさんに弱いじぇいさん(^-^)v
しかも演奏中地蔵と化し、目力でカバーって…それまんまどこかのおぢさんじゃん!
や〜面白かった。
コンサート、是非行って下さい。
5月25日だと東京での個展が終わったあと…?
自分へのプレゼントに是非是非。ふふ。